モモモ

ウエスト・サイド・ストーリーのモモモのレビュー・感想・評価

3.9
オリジナル作は未見。どんな内容なのかすら知らないので「え、こんな話なのか」が頻繁に起こり中々に楽しむ事ができた。
開幕一発目の長回し〜ダンス会場まではバッチバチに決まった撮影、縦横無尽な音設計、それらにシンクロする音楽、編集、役者陣に没入してしまった。
「これこそが一目惚れ!」「運命の出逢い!」と言われてしまえばそれまでなのだが。
僕が恋愛に理解が無さすぎるのか、ちょっと待ってくれて思っている間に物語は進んでいき置いてきぼりを食らってしまった。
いや、なんか女の子の方からもグイグイ攻めていく感じとかは良かったんですけどね。
恋に落ちていく過程をじっくり描いてる尺なんてないよとも思うんですけどね。
「こいつら何でそんな夢中なんだよ!?」が頭から離れず。それが若人の恋じゃ無いか!とも思うんですが…いや、分かるんですけどね…。
と、言いながらも全然明るい映画じゃ無いぞコレ!と展開に暗雲が立ち込めてからは再度没入出来た。
特に女性陣を締め出し集団で襲い掛かるシーン…ちょっと予期していなかったので胸糞がかなり悪くなりましたね…。
共にシャッターを開けた者同士なら理解し合える事が出来た筈なのに。
私怨とホモソーシャルから解放されていれば伝言は何事も無く正しい内容で伝わった筈なのに。
憎しみの波及、互いの立場に立てないもどかしさ、移民、人種、断絶。
そんな報復と憎しみの連鎖を明確に止めて終わるエンディングには、まだ救いがあるのかもしれない。
現実では連鎖は終わらず理解などし合えないのだから。
モモモ

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