ZIMA

ウエスト・サイド・ストーリーのZIMAのレビュー・感想・評価

4.5
スピルバーグのロミオとジュリエット。

61年版とは歌の配列が変わって、歌の捉え方も変わっているものもありましたが、歌の力が本当に素晴らしい。感情の数々が押し寄せてきて、鳥肌が立ちまくりでした。

スピルバーグ版の方がキャラクターの説明が増えたりしている分、主人公たちの感情の落差に容赦がないなって感じました。抽象的な所も良かったりするので、こちらは意見が分かれるところではないでしょうかね。

主役の2人も圧巻。大好きなベイビー・ドライバーのアンセル・エルゴートも歌がうまかったのは衝撃でしたが、何よりマリア役のレイチェル・ゼグラーの歌声にうっとりでした。61年版でアニタ役を演じたリタ・モレノも最高。「アニタはあの後こうなりました」と言わんばかりのエピソード。涙です。

61年版で問いかけていたアメリカが抱える問題の数々。60年経った今現在はどうなのか、問われているような作品でもあったのかなと。

ウクライナで起きていることを考えると、進歩していないどころか、ある意味では後退していることもあるかもしれないなって。

もちろんアメリカにおいても、未だに解決されない問題もたくさんあって、「もう一度みんなで考えようよ」ってのスピルバーグのメッセージも伝わりますな。

朝焼け、夕焼け、スポットライトなどなど光の演出がとても印象的に感じました。


全ての曲が根本的なところでは同じのようですな(決闘前の重奏は本当に素晴らしい)。

2月は21本
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