ドスティ

ウエスト・サイド・ストーリーのドスティのレビュー・感想・評価

3.5
鮮烈な群舞シーンや61年版とは曲順や場所を変え内容もアップデートされた脚本、そしてオスカー受賞者アリアナ・デボーズとリフ役マイク・ファイストの歌声と踊りと演技が素晴らしい!

ただ主演の件は無視出来ず、恋愛描写も稚拙過ぎて心は動かなかった。
スピルバーグ監督はロマンスに興味ゼロだと思う…そもそもトニーとマリアは利己的で全く感情移入出来ないキャラだけど。

新旧アニータが作品の要で、製作総指揮も務めたリタ・モレノの存在はとても大きい。
プエルトリコ系の偉大な先駆者であり、アリアナもアフロ・ラティーノでクィアの輝けるスター。

レイチェル・ゼグラーも歌が本当に上手くて魅力的ながら、実年齢より幼く見え相手役とケミストリーを感じず居心地悪かった。
製作陣はユダヤ系ばかりだし全ては望めないけど、コロンビア系なのも残念。

演じたマイク・ファイストの力で奥行きが出たリフの、トニーへの憧れと屈折した愛情、居場所が無いからこそ執着する悲哀や破滅的な部分が痛ましくも好き。

ジョージ・チャキリス(ギリシャ系…)が素敵過ぎたベルナルド役デヴィッド・アルヴァレス良かった。
掘り下げられたチノの人物造形もいい。
コリー・ストール出てて嬉しかった。

正直2020年代を舞台にするくらい大胆なリメイクを観たかった気もする。
ドスティ

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