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キャッツのmのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
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ミュージカル舞台版は未見です。
アメリカではもはや大喜利になるくらいの相当な不評が飛び交っている作品だけど、子供の頃「デビルマン」を劇場で観た人間としてはもうこれくらいは慣れっこです。

観た感想としては、そもそもこの題材が映画にするのに向いていないというのがまず大きい。話という話もそんなになくて歌で繋いでいく形式、舞台だとショーとして良いんだろうなと思うけど。あと冒頭の曲の一音目でちょっと曲ダサくない?と思ってしまった。
それでも照明と美術の素晴らしさでゴージャスさは出ていて見応えはある(手持ち撮影は猫人間ビジュアルと合わさって余計な不安感を煽ってしまった)。

で、一番の問題である猫人間ビジュアル。
猫らしいモフモフにすると着ぐるみっぽくて嘘臭くなるし踊りが映えないしCGが大変だからみたいな理由で短毛の猫設定でほぼほぼ統一したんだろうけど、そのせいで人でも猫でもない不気味な生き物が期せずして誕生してしまった感がある。CGメイクにしたせいでせっかくの踊りの身体性は損なわれるし・・とにかく冒頭で袋に詰められた主人公を猫人間数人が取り囲んでグルグル回る所はちょっと悪夢的で目眩がした。
あとイドリス・エルバが服を脱いだ時にやたらとエロくて、何か特殊な性癖を開拓されたような気がして怖くなった・・こわい・・

更に怖いのがゴキブリ人間とネズミ人間が登場する事で、この辺のシーケンスはまさに悪夢。
それと冒頭で普通に人間が登場するので、自分の脳内で にんげん と ねこ がゲシュタルト崩壊します。

猫人間ビジュアルでも歌声が心を打つジェニファー・ハドソンや、猫人間でもスター性が滲み出るテイラー・スウィフトは流石。

一応主役のフランチェスカ・ヘイワードの踊りの見事さは垣間見えたので、猫人間じゃないビジュアルでこの人の踊りを見てみたいと思う。

ラストの歌の歌詞はさすがにズッコケた。猫好きとしては解せません。
うん、天然物の怪作です。
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