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殺したのは誰だのseapony3000のレビュー・感想・評価

殺したのは誰だ(1957年製作の映画)
5.0
閉まるドアの音とエンジン音からはじまる。いきなり伊福部のどんよりサウンドがかかりすでに死の予感に震える。どんづまりのカーセールスマン菅井一郎、愛人の山根寿子は蝿と蜘蛛だらけのとんかつ屋兼飲み屋を経営。その店にペットかマスコットのように居座るアル中でキチガイの我らが浜村純(渾名はダンロップさん)ガールズバーで働く眼の死んだ娘の渡辺美佐子と賭けビリヤードで小銭を稼ぐ父親思いの小林旭。人の仕事を掠めとるわ偽装事故で保険金詐欺で稼ぐ悪魔の西村晃。大好きな交通事故映画でした。千駄ヶ谷のロータリーで菅井一郎がやるはずだったのに3周してもできなくて屋台で酒をあおる。その隣の屋台にいた知り合いの酔った殿山泰司が俺がやるつって即クラッシュ。ノワールな姫田撮影がたまらない。クライマックスは雨のクラッシュ。最後の最後まで貧乏と金。ビッシリこびりついた貧乏描写が気が滅入るほど素晴らしい。ひたすら陰惨な脚本は新藤兼人。助監督が松尾昭典だった。渡辺美佐子が売春する相手の梅野泰靖さんも不気味でよかった。日活ノワール最高だなー。

保険金詐欺での西村晃の仲介料20万円
乗って事故る人間のギャラ10万円
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