第32回東京国際映画祭オープニング&ワールドプレミア上映にて
柴又生まれの身だし、10作目からリアルタイムで寅さんを観ているので、もう冒頭からウルウルしっぱなしでした。
過去映像と新しく撮影した部分を、ちゃんと意味を持たせて繋いで行く構成は、さすが山田洋次監督ならではの映画です。
50年間に積み上げた大切なモノを、吉岡秀隆さん演じる甥っ子である満男の視点で寅さんを回顧する事により、人にとって出会いとは何なのかを紐解く人間讃歌です。
そして何より『男はつらいよ』は、日本映画における偉大なる女優史である事に改めて気付かされました。笑いの中に隠れる哀愁。ずっと大切で、かけがえのないモノを、寅さんに与えてられていたのだと想います。