ヨスミ

きみと、波にのれたらのヨスミのレビュー・感想・評価

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)
4.5
予告の段階でいわゆる"リア充カップルのイチャイチャ"を見せられていたので水表現を除いて(湯浅作品ぽくない)と思っていた。
そもそも登場するカップルが歌う主題歌が EXILE である時点で今までの湯浅作品をみてきた人は少し敬遠してしまいそう (実際に知人に「今回の作品は予告から胸くそ悪くて無理」と言われた※ひどい)。

実際のところ、私は本作をみてめちゃくちゃ泣いた。泣きすぎて久しぶりに頭痛がした。
まず恋人の"港"が自分が何気なく話した事をきっかけに命を落としてしまい、喪失感やら自責の念に捕らわれて主人公"ひなこ"がボロボロになるシーン。胸焼けをするようなリア充っぷりからのあまりの落差に泣けた。
次に水の中に港が見えるようになってから、ひなこが (客観的にみて) 狂いはじめる。でかいスナメリの水人形を引きずり歩くシーンは恐ろしい。姿は見えるけれど、触れることの出来ない虚しさがまた泣けた。
そして後半、死んだ恋人への想いから抜け出せず前に進めなくなったひなこが自分がのる"波"を探そうとしはじめてから、ラストのどデカイ波に乗る所で号泣してしまった。

自分も大切な人を失った時、すごい悲しいだろうけど自分の波にのらんとなーとしみじみいい映画だったと思った。しかし、話の終わり、港が亡くなってから1年後のクリスマスのシーンはなんとなくスッキリしなかった。
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