しずる

シンクロ・ダンディーズ!のしずるのネタバレレビュー・内容・結末

シンクロ・ダンディーズ!(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

おっちゃんシンクロ第2段。フランス版『シンク・オア・スイム』に続き、元ネタを同じくするイギリス版である。

大まかな流れは同じ。家庭や仕事に問題を抱える中年男性が、成り行きで参加したシンクロチームに共感や勇気を見出だし、もう一度人生に立ち向かっていく。

細かなディテールの違いは色々とあるが、『シンク・オア・スイム』が、うつ病や退職で自信を喪失していた主人公が、同様に何処かダメな仲間達と大舞台に挑み、誇りと自尊心を取り戻す話とすれば、『シンクロ・ダンディーズ』は、仕事一筋だが人付き合いは苦手、家庭でも職場でも充実した人間関係を築けず居場所のない男が、チームで一つの目標を目指す内、人に真摯に向き合う事の大切さを知る物語。
フランス版が、チーム全員の諸事情を多視点で描いていく群像劇だったのに対し、イギリス版は、主に主人公に焦点を絞っており、話の筋は追い易い。
心情表現もストレートなものが多く、何なら台詞で説明してくれる。ギャグも真正面の下ネタもあるが、まあ、小学生レベルなので苦笑い…みたいな。
オフィスシーンの早回し、日にちカウントダウンのちょっとした仕掛けなど、ビジュアル面で面白い所が多かった。
ラストの展開が、私にはちょっと腑に落ちない部分もあったが、アレ、奥さんの政治家活動に支障が出るんじゃないの?というのは、日本人的感覚なのかな。衆目に怯まず貫く程の意思表示が欲しかった、という事だろうか。
まあ、その後の、よく解らんが大団円らしい、とハッピーに踊り混じる群衆、トムの台詞「カオスを楽しんでる!」が、この映画を一言で象徴しているのかも知れない。

『シンク・オア・スイム』『シンクロ・ダンディーズ』、どちらも違った面白さがあるし、見比べてあれこれ考えるのも楽しい。
何より、半券割引496円のサービスが最強!『シンク・オア・スイム』の半券をお持ちの方は、今作も是非。もし趣味に合わなくても、ティータイム一回我慢したと思えば済むしね。
しずる

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