てつこてつ

バード・ボックスのてつこてつのレビュー・感想・評価

バード・ボックス(2018年製作の映画)
4.0
サンドラ・ブロックが制作および主演を務めたNetflixオリジナルのサスペンススリラー大作。ポン・ジュノ監督の「Okuja」もそうだが、この作品も劇場で公開されていても全くもっておかしくない・・と、今さら発言している事自体、もはや時代に乗り遅れていて、資金が潤沢なNetflixのほうが、むしろ大作をプロデュースできる時代が到来した。

数年前、アフフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」がオスカー外国語作品賞受賞のみならず、最優秀作品賞候補にまで残った事実を考えると、ハリウッドの大手スタジオシステムは、優れた脚本家、監督、役者がNetflixを代表格とするOTTに流れていくなか、これからどんどん崩れていくんだろうな。あえて、Netflix作品には賞を与えないというオスカー側の姿勢も問題視され、この映画の祭典で最優秀作品賞に選ばれた作品が本当にOTTオリジナル作品より質が高いのか・・大いに疑問視される流れになるであろう。

さて、この作品では、東欧で発生した謎の奇病・・「何か」を見た人間は、迷うことなく自殺行為に及ぶ・・が、アメリカでも蔓延。サンドラ・ブロック演じる妊婦は、パニックとなった街を逃げまどう中、とある家に逃げ込む。そこには、同じように恐怖におびえる人種も職業も年齢も様々な人々が。彼らは家に立てこもり、食材調達の際には、必ず目隠しをしっかりして外出し、家中の窓という窓には外の景色が見えないように幕を張って生活する。

だが、ある日、一人の男を住民がうっかり招き入れたことから悲劇が始まる・・。

中だるみ一切なしのスピーディー、且つ、よく練られた脚本。タイトルも内容に非常にマッチしている。出演者は、サンドラ・ブロック、ジョン・マルコヴィッチくらいしか知らなかったが、みんな、非常にイイ味出してるし、エンディングのヲチも上手い。

そう、これも興行収入を気にしなくてよいNetflixの強み。劇場で公開されるような作品には出演できないような比較的無名でギャラも安く、それでいて演技力が高い役者を多くキャスティングできること。「全裸監督」を見た時も、主演の山田孝之、リリー・フランキー、小雪以外は、ほぼ無名の役者を揃えていたが皆の演技が卓越していて、ここ最近で一番面白かった日本の連ドラであったし、ぶっちゃけ「全裸監督」みたさにNetflixに加入したようなもん。

これからも良いNetflixオリジナル作品と沢山出会えますように!
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