からかす

バード・ボックスのからかすのレビュー・感想・評価

バード・ボックス(2018年製作の映画)
3.5
印象として「クワイエットプレイス」にかなり近い。
音を立てたらダメ・見てはダメと五感の内一つを封じられた中で
サバイバルを繰り広げるホラーという認識。
どちらも戦中下映画のテイストが強く
どんな環境であれ子を残すし子は育つ、
その中で親が子供のために必死で生き残ろうとする
生への渇望を強く感じる点ですごく好ましい映画だと感じる。

一方で「クワイエットプレイス」と異なるのは尺。
前者が90分、本作124分と差は歴然。
それもそのはずで本作の方が登場人物が圧倒的に多く
なおかつ各人の持つ悪意を明確に描いている。
これはシングルマザーとしての女性の生きづらさ、
それらを乗り越える女性のタフさを象徴していると感じる。
その表現自体はサンドラブロックの熱演もあって成功していると思う。
ただ似た映画ゆえに比較ばかりして申し訳ないが
ホラーとしては90分の尺の方が断然好みで124分はちと長い。

とりわけ勿体無いと感じるのは"バード"の扱いで
序盤でキーになるのかなと思いきや意外と展開に影響が少なく
もちろん象徴的なシーンで使われているものの
もう少し丁寧に扱えばもっと効果的になったのではという感じが否めない。

登場人物の多さは難点である一方で
演じる役者陣は抜群でジョンマルコヴィッチはじめ
隅から隅まで隙のない配役と熱演で見応えはたっぷり。
からかす

からかす