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私、オルガ・ヘプナロヴァーのtouchのレビュー・感想・評価

3.9
"サイコパスでも私には見識がある"
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23歳で処刑されたチェコスロバキア最後の死刑囚オルガ…彼女はいかにして犯行に至ったのか。
断片的に描かれる彼女の暮らしぶりは真偽定かでなく、冷徹なショットの数々は批判も同情も寄せ付けない。
ロベール・ブレッソン、カール・テオドア・ドライヤーの影響が色濃い傑作。
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まるで周囲から必要とされていないかのような疎外感、社会に適合できない自分への苛立ちと自分を蔑ろにする社会に対する憎しみ…彼女の中に降り積もっていく怒りを淡々と見せていく。
時に退屈にすら思える長回し、時系列・前後関係すら怪しい映像の繋ぎがオルガの厭世的な心情、精神の混乱を代弁する。
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