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テッド・バンディののこっとのレビュー・感想・評価

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
4.8
テッドバンディの映画と言われると
また殺人鬼の恐怖を描いたホラー映画か…
と思っていたが
今回は殺人鬼の恋人が見たものを描いた映画
だからホラーのような恐怖感はない
人を残酷に殺すようなシーンもない
私がずっと見たかった殺人鬼の違う見方
非常に満足できる作品でした。

映画の中で何度か出てきた
「人間性の無駄遣い」
って言葉がすごくしっくりきた。
しっくりきたのだけどもそう感じてはだめなのでは…と考え直させられた。

テッドは容姿、頭脳、人柄全て…
つまり見た目も中身も完璧。

よくヒーロー映画とかでもある話だが
才能をもった人間が生まれてきて
正義か悪か、どちらの道へ進むか。
悪の道へ進む者には何かしらの心の病みがあり
それが見え隠れするため、見ている人は
悪へ進んだことは必然だったんだ…
と納得することだろう。

しかし、今回のお話は違う。
その心の闇が見えない。
彼の心に怒りも妬みも何も見えない。
あるのは愛だけ。
恋人リズの目には何も見えていなかった

決して彼女が恋に盲目だとかそういう理由ではなく、
身近にいる者には見えていない闇の部分が
あなたの身近な人間にも潜んでいるかもよ
って伝えてきた映画でした。

話がずれたが、
人間性の無駄遣いに関して
私が疑問に思った点は
完璧な人間=良い人
っていう私達の偏見
それが問題なのではないかなと
無駄遣いではなく結局そういう人間だということ

ここまで書いて、
言いたいことまとめられなくて、
考えすぎて頭痛くなってきました。

彼のことを知って映画を見たにもかかわらず
恋人の気持ちに入り込んで
彼を信じてしまい、
最後の真実と共に涙を流した。
自分の愛する人がこうだったら
私も同じ気持ちになるだろう。
愛しているからこそ、
信じたいけど信じてはだめだと。
強い気持ちを持って向き合った彼女は偉い

連続殺人鬼のこと知るにはいい映画だと思う。
これ見たらもっと彼を知りたくなることでしょう
のこっと

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