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ビーチ・バム まじめに不真面目のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

4.5
【賛否分かれるだろうなぁ。
この作品をどう受け入れとめるかで大きく評価スコア、感想が分かれるだけでなく、その人の人生観や倫理観、芸術観などが伺い知れるかも。
考えながらじっくり加筆修正したい🤔】

コロナ禍における監視社会による息苦しさ。行き過ぎたコンプライアンスやポリコレによる窮屈感。ムーンドッグなら今の我々日本人を見て「ヒャッハッ」「もっと力抜いて生きたらー?👍」て言って酒奢ってくれそう。

自由自在、好き勝手やって楽しんでる(※1)。
ムーンドッグという人物(※2)もそうだしこの映画自体も。
最高な映像と音楽を並べて織りなす、純映画的享楽。凝ったストーリー展開などなし。

ずっと楽しい夢を見ているような、どこなく吟遊詩人が諳んじる神話のような。ドラッグジャンキーの白昼夢のような。

ギョッとする位ゲスなエロシーンもあるのだけど、憎めなくて、可愛げもあるから周囲の人も「またバカやってやがるぜ」みたいな受け入れられ方。
ムーンドッグが町や地元コミュニティを愛し、愛されているから。
競争社会⇔共存社会

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少し調べたら、キーウエストという街はヘミングウェイ所縁の土地で、
猫、古いタイプライター、釣りというアイテムはヘミングウェイのシグネチャーらしい
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※1
本作でのムーンドッグの台詞
「無理して躓く奴が多い。ただでさえ大変なのに。人生は山あり 谷ありだ。俺はとことん楽しみ尽くしてやる。その方が詩も浮かぶ。」を聞き、

初期小説『69』出版時のあとがきで村上龍が書いた「これは楽しい小説である。こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろうと思いながら書いた。この小説に登場するのはほとんど実在の人物ばかりだが、当時楽しんで生きていた人のことは良く、楽しんで生きていなかった人(教師や刑事やその他の大人達、そして従順でダメな生徒達)のことは徹底的に悪く書いた。」
が頭に浮かんだ。

ムーンドッグは
「クソみたいな世の中への抵抗として死ぬ気で人生を楽しんでみせる」という態度なのか、
「あくまで自然体として彷徨いながら楽しんで生きている」のかどちらか考えている。
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※2
ムーンドッグという実在した詩人との関係
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