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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのYFのレビュー・感想・評価

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前作アイリッシュマンよりもさらに長い尺で大丈夫かなと思っていたけど、結局1度も立つことなく最後まで見いてしまった。
原作は(fbiの前身である)司法省捜査局の捜査官が主役であり、アーネストの人となり(第1次大戦の帰還兵とか)はたいして描かれてなかったけど、映画版ではアーネストと妻でありオセージ族先住民モリーの、金と権力にまみれた悲しい空しいラブストーリーにすることで、かえってアメリカの暗部たる先住民に対する搾取構造や白人至上主義をこれでもかと暴いている。劇中でニュース映画として、(同じオクラホマ州で起こった)タルサの黒人大虐殺についての言及があるけど、映画というメディアを通じて忘れ去られそうなアメリカ(ていうか白人)のダークサイドを伝えることは、本当に重要なことだと思うし、それができるのがアメリカ映画の多様さを象徴している気がする。
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