クラゲライダー

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのクラゲライダーのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

3時間半ずっとお人好しの先住民が、強欲で狡猾な白人に騙され殺され搾取され続ける映画でした。
この搾取側のリーダーがデニーロなんだけど、もう絶対に人生で関わってはいけない人物。
彼の「これは君の為の助言なんだよ」が本当に怖くて嫌な台詞だった。
関係ないけど、よく説教する人が「これはお前の為に言ってるんだよ」とか言うが、コレ絶対嘘だから。

搾取される先住民側にも隙があった。
モリーの世代は白人の世界に入ろうとしている世代で、言わば白人憧れがあるように描かれている。
モリーは白人の食事を真似して糖尿病になり、白人ディカプリオに恋した訳だ。
自分達の文化に誇りを持って欲しいというスコセッシのメッセージを感じる。

先住民は嵐が来ても窓を開けるぐらいオープンマインドなのに、対照的に白人は異常に用心深く描かれている。ディカプリオなんて妹の棺の値段にも「ぼったくってんじゃねえぞ」とキレていた。
果たしてどちらが幸せなのか?

ただ映画としては、主人公のディカプリオに深みがないように感じた。モリーに薬を打っている時も、どういう気持ちで注射しているのか?愛しているの?いないの? いるなら何故注射を?