本来移民であったことを忘れ去り、アメリカをさも“白人の国”のように主張するのは違うぞと釘を刺すような作品だった。
ことの全てが白人により持ち込まれたものが原因で、先住民にとって害でしかない。
便利になったものは多少あったかも知れないけど、それが本当に必要なものなのかは先住民にしかわからないし。
そんな中でスコセッシ作品でたびたび描かれる人間関係の有象無象も重なり地獄。
アーネストは自分自身を受け入れてくれる人なら誰でもよかったのかな。
結局はヘイルの地位と名声を保つための駒でしかなかったのに、気付けば洗脳されて、モーリーの質問にも答えられず全てを失い、無様でしかない。
嵐のときはただ静かに。
そしてこの惨事をエンタメとして消費する事へのアンチテーゼ的な締めには結構ドキッとした。
ただのエンタメではなく、考えられる人間でいたいと思った。
ギャングオブニューヨーク同様、アンビエント?環境音のクレジットがまた良い。
どうでも良いけど雨の音とか好きなんですよね。
アメリカには行ったこともないし歴史に関しても知らないことだらけなので、理解しきれていない部分もあるんだろうな。
でもスコセッシ監督の新作を初めて映画館で観れたということがめちゃくちゃ嬉しかった。