じょうパン

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのじょうパンのレビュー・感想・評価

4.7
“これぞ映画だ!”という映画でした。
3時間26分という上映時間の映画を映画館で観るのは初めてだったので、どうしても観る前は構えてしまい集中して観れるか心配でしたが、どんどん入り込んであと30分観たいなと感じあまり長さを感じない映画でした。
面白いというか凄い観て良かったと思える映画でした。

⚠️ここからはネタバレありです
脚本は至って単純でした。まさかネイティブアメリカンの中に白人を召使にできるような裕福な家庭もあったというのが驚きです。前から感じてた事だけど、人間って単純だなと感じました。単純だからこそすぐにいろんな事を信じたり、信じなかったり、そういう部分がある意味怖いと感じました。ハエの演出が具体的には分かりませんが、人間の愚かさに対して批判的なメッセージが込められてるのではないかと考えました。あとフクロウの演出が地味に怖かったです。
やはりなんといっても、レオナルド・ディカプリオの演技がうますぎました。檻の中で娘の死を知った瞬間の叫びの演技であったり、爆破された家を見た時の表情が完全に役に入り切っている演技で良かったです。また妻の爆破されたのを知った後の叫びの演技であったり、全体的な顔の表情が上手かったです。
ただ、アーネストの体型が戦争から帰ってきたのに少し太っているのは少し気になりました。最初オセージ族の土地に来た時は痩せている状態で、住んでいくうちに太っていく演出なら納得できますが、最初から少し太っているのはなんだかなぁと思いました。
しかしアカデミー主演男優賞、助演女優賞2冠あり得るのではないかと思える演技でした。
ロバート・デニーロに関しては、演技が上手いというかオーラがあったので、上手いのは上手いんですが、なんか別のうまさというかそういうものを感じました。
後半でまさかブレンダン・フレイザーが出てくると思わなかったので思わず叫びたくなりました。体型的に「ホエールの撮影期間と被ったんかな?」とツッコミたくなりましたw
あとスコセッシ監督も出てきてましたね。


編集に関してはあまりカットを割らず編集していて(そもそも撮影してないかも)ワンカットが長いところもありましたが、話している内容が深いので退屈せずに見れました。
撮影で良かったところは、家が爆破される前にベットで2人が寝始めた瞬間にカメラがジワジワ後ろに下がってきて、”この後何か起こるんだな”というカメラの構図やワークが良かったです。

スコセッシの作品を全部見てるわけではありませんが、タクシードラバー並みに好きになった作品でした!
まとめです。
206分もあるにも関わらず、テンポ感が良く無駄が一切ない作品でした。初めて映画館で”ザ映画”という作品を観れて良かったです!
まだまだスコセッシ監督には作品を作って欲しい!
じょうパン

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