りょ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのりょのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

20代のアーネストをレオが演じるのか、と役柄公開時からそわそわしていた。レオ初登場シーンの暗い色味でとても若者に見えない顔に、なんとからおりあいを付けて馴染まないと、と思ったけど杞憂だった。
レオの高い声、童顔、髪型がだんだん47,8歳であることを忘れさせてくれる。モリーの落ち着きも相まって年齢差をさほど感じさせないカップルに安心した。
スコセッシにとってはいつまでもレオは若者なのか、FBI側の役を提案されてもアーネストを選ぶレオがいつまでもスコセッシに転落した結末を与えて欲しいと願っているのか。

ジャンゴのレオ大好きなので、あわよくばオセージ族に惨殺されてほしかったけど、これは実際にあった悍ましい白人の企みと最後まで彼らは生存して家で死にやがったという事実が大切なので仕方ない。まだレオが惨殺されるほどに世の中は進んでいない。

ロバートデニーロはもはや安心感として置かれているよね。街の名士だけど街を貪ろうとしているおじいさんにデニーロはぴったりすぎる。デニーロじゃないので見てみたかったくらい。

悲劇の主人公役のリリーがすごく良かった。コヨーテと笑い、アーネストを信じ、不安に苛まれながらワシントンまで赴く。人種と性別による弱さを精神の強さで補って生き抜く様! それでも新聞に彼女の話は載らない。

暮らしていた地を奪って、偶然恵まれた富も管理し奪いに行く傲慢な白人たち。ワイフを愛していると言いながら所詮そのうちの1人に過ぎないアーネスト。
なるべくして3時間半になった素晴らしい映画だった。なんなら4時間でいい、というかドラマがいい。
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