とこまメイトリクス

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのとこまメイトリクスのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

アクションでもなく、キャラクターがたくさん出るような作品でもない。

それで約3時間半の長編映画。

並の監督、並の脚本、並の題材では間違いなくだらけてしまうであろう上映時間なのに…

観終わったあと、どこかカットできるシーンがあったかと問われれば1秒も無い。

デ・ニーロ、実は悪役俳優なんだなと改めて感じさせてくれた。

見た目はもうおじいちゃんだし、笑えば人当たりの良さそうな顔してるんだけど、悪役やらせるとその笑顔の内側が見えなさすぎて怖いんだよな。

レオ様はもう、大御所俳優だよ。
安定の演技力。
今回はあまりにも情けない、権力者であるおじさんに逆らうことのできないクソ野郎を見事に演じきっていましたね。


終盤になってハムナプトラ見つけてそうな人が出てきてびっくりした(笑)

セリフ少なかったけど、低くて良い声とちょっと可愛い目は昔と変わらなくて嬉しかったよ、ブレンダン・フレイザーさん!


どの国にも負の歴史はあるものですが、アメリカの先住民との争いについてはなかなか日本人には分かりづらい部分もある。

俺自身、この手の映画で得た知識しかないです…

数年前に公開したウィンド・リバーという映画では、現代でも先住民に関する事件だと警察が及び腰になるような描かれ方をしていましたね。

100年前も沢山の犠牲者が出るまで政府は重い腰を上げなかったと…

人間のお金に対する欲は本当に怖い。

この映画、すごくいやらしいのはさ、先住民もオイルマネーで贅沢三昧しているのをしっかり見せているんだよな。

いくら土地を追われてきたとはいえ、だからといって富の独占が許されるのかと言われるとちょっと難しい…


白人や先住民とか関係なく、お金だったり、お金になりそうな資源や鉱物は人々を狂わせるんだなって…

終始重苦しい雰囲気だし、辛いシーンも多いけど、役者さんの演技を思う存分楽しめる素晴らしい作品だと思いました。


俺んちの井戸から石油とか出たら、俺も殺されるのかな…