久しぶりに超大作を見た満足感。スコセッシとディカプリオ、デニーロの豪華なタッグに3時間半があっという間だった。
実話に基づくストーリー。先住民族の地に入り、富を求めて彼らのアイデンティティーさえ奪っていく人たち。デニーロ演ずる叔父が甥のディカプリオを巧妙に操る姿がすごかった。ディカプリオも妻を愛しながらも、コントロールされていく姿が人間らしい弱さとも思える。ディカプリオはレッドフォードのような二枚目俳優で終えることもできるのに、人間の二面性を巧みに演じる怪優の道を選んだんだなあと感じた。
このストーリーは過去のものではなく現代の物語とも言える。富を奪いその地の人たちをマインドコントロールしていく為政者は、この国にも世界中にいる。
80を超えるスコセッシの問題提起をどう受け止めるのか。
映画館は土曜日にもかかわらず空席が目立った。
特撮ものより、今作品のような渾身作がもっと見られてほしい。
最近はアカデミー賞も、小作品にスポットが当たっているが、王道的な本作が多く受賞してほしい。