takumimi

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのtakumimiのレビュー・感想・評価

4.2
とても好きです。

アーネストを(原作の描写を膨らまして)ただの屑ではなく、伯父との関係や妻への愛を交えた多面的な様相で描いたことで、ラストの諦念と絶望感に満ちた表情が目裏に焼きついたまま幕が下ろされる瞬間の凄み、これは原作では感じられない、正に映画的な演出で素晴らしかったです。

アーネストとモリーの物語を中心にすえた為、主軸から外れてしまった、例えば事件を追及したレンジャー出身のFBI捜査官トム・ホワイトや元ロデオの花形ヘンリー・グラマーなど、アウトロー味のある魅力的なキャラクターが背景に埋没してしまったのは、表現上の取捨選択の結果とはいえ、少し残念な気持ちもあり、例えばソダーバーグの「トラフィック」みたいに各視点から同時並行的に描かれた犯罪推理劇のようなものも観てみたいな、などと思ったりしましたが、劇映画としては冗長になっちゃいますね。

曇天の夕刻、
ロビー・ロバートソンを偲びつつ
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