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幸せへのまわり道のherokoのネタバレレビュー・内容・結末

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

家で好きな格好でリラックスしながら音も気にせず好きな物をおっ広げてお菓子にマックにコーラをズズズっと飲みながらの映画も好き。
映画館で真っ暗の中、大音量、大画面、生唾を飲み込むことすらはばかられる緊張感でコーラを飲むタイミングを見計らって音が出てる場面にヂュッと飲む映画も大好きだと再確認。
そう、ようやっと映画館で観れました。久しぶりの感覚に大感激。音も空間も心地よかった。

用事のついででふらりと映画館に立ち寄ったら始まる時間がちょうど良いのでトム・ハンクスだしと思って情報もなく鑑賞。温かみのある愛に満ち溢れた作品でした。トム・ハンクスの瞳が慈愛で満ちていて何も言わずに温かく包み込んでくれた。この映画を通して私にとっていま必要な言葉をかけてくれた気がする。

実話に基づいた話だそうで、子ども番組で大人気司会者のMr.ロジャース。この人を記事にするために雑誌記者のロイドは取材を兼ねて会いに行く。会ってみるとロジャースは聡明で様々な人の悩み相談を受けて誠意を持って応えている。それは撮影時だけでなく自然体である姿にロイドは違和感を感じる。悩むことはないのか?人の悩みを受けて重荷にならないのか?深くまで探求しようとも自分の弱みが明るみになるだけ。この感覚は一体何なんだ…?イライラが募る。しかし、ロジャースは怒りを忘れろという。それが出来ないから苦しいのに…ロイドには絶縁した父がいた。病死した母と姉を置いて逃げた父に深く傷つき、怒りを秘めていた。話題にすらあげたくない存在。それは母のために自分を守るための感情でもあった。ロジャースと出会い言葉をかけてもらうにつれて自分の感情と向き合う事が出来たのだ。そこからロイドの顔つき、表情が変わったようにも思えた。それはとても柔らかくて優しい目をしている。1分間に愛する人を思い浮かべたシーンは観ている人も同じく一緒に大事な人を想ったんじゃないかな。
この静寂な時間に「こんな私を愛してくれてありがとう」と心に浮かんだ。
また忙しさにかまけて心が疲れた時に観たい映画。
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