父親との確執を持ちアダルトチルドレン的な性質を内包する主人公が、子供番組の国民的人気司会者との関わりを経て自らの過去と対峙して変わっていく家族系セラピー映画。
まずタイトルが凡庸でもったいない。
しあわせのなんちゃらって多すぎて、、、
まあプロットもよくあるかもしれない。
けれども
キーとなるミスターロジャーズなる人物(実在した人)がこの映画を他と違う物たらしめている。
劇中で彼が発する核心をついた台詞はすごく深い。
彼の子供への接し方や哲学は真理だなと思うので子育てしてる人にも見てほしい。
ミスターロジャーズとの初対面のシーンで主人公は顔に喧嘩の後のアザを作っていて、他の人たちはその点に触れないようにするとか、もしくは喧嘩っ早い人はちょっと...と嫌煙するのだけれど、ミスターロジャーズだけは主人公自身のことを心配する
というシーンがあって、
自然に相手の立場にすっと立てる懐の深さって中々持てないよなぁ。と感じつつ
そこが彼が人気者になった理由
主人公は彼のその聖人のような優しさはテレビ向けの表の顔だろうと斜に構えるのだが、
彼の子供への熱意や眼差しに嘘がないことをしって
彼の考え方なんかに影響されていくんだけど
ミスターロジャーズは最初から寛容で悩みのないハッピーな人ではなく、
恐らく色々苦しいことがあってそれを乗り越えるための彼の努力の上に今の姿があることが、ちょっとした描写から伺えてくる
1番最後のピアノのシーンは顕著だと思う
でも彼が子供に見せる愛情や優しさは本物で、その複雑な人物をまるでその人本人かのように演じるトムハンクスはやっぱりすごい役者です。という結論になります。