てつこてつ

ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.4
ハイソなモダンアートの世界観とホラーを融合させたNetflixの意欲作。

正直なところ、ホラー作品に括るのは厳しい部分があるし、ストーリーとしてもやや破綻している要素もあるが、出演者が豪華だし、全編を通してウイットに富んだ作風でセンスがある作りとなっていて感心した。

登場キャラクターたちが、美術評論家、アートギャラリーのオーナー、画商だったりするので、とにかく彼らがシーン毎に着こなすファッションや自宅のインテリア、舞台となるアートギャラリーなど、とにかくオシャレで見ていて楽しい。ギャラリーに飾られている作品群も、これぞモダンアートといった色合いで目にも鮮やか。冒頭でジェイク・ギレンホールが付けているちょっとオーバーサイズでgeek感満載の眼鏡でさえオシャレに見えてしまう。ギャラリーのオーナーの飼い猫が世にも珍しい無毛のスフィンクスってのもオシャレにも程がある。

これらの目にも優しい鮮やかな色合いと、関わる者たちに次々と災いをもたらす狂気の画家が描いた作品群の禍々しさとのコントラストがお見事。

バイセクシュアル役のジェイク・ギレンホール、プラチナブロンドのおかっぱ髪が似合うトニ・コレッタの演技は、やはり光ってる。

予告編で若干のネタバレにもなってしまっているが、クライマックスの絵画から流れ出してヒロインに襲い来る鮮やかな色合いの絵の具の洪水など、最初から最後まで、やっぱりオシャレ。

映像に凝った世界観がある作品なので個人的には好み。
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