RyanMihawk

殺さない彼と死なない彼女のRyanMihawkのネタバレレビュー・内容・結末

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

お前という二人称も
底無しの厭世観も
繊細すぎて面倒な死にたがりも
真正面からの適当な悪口も
語尾の死ね殺すも
偉そうな命令口調も
余裕のない自己嫌悪も
身勝手な仏頂面も
十代の特権だったと気付いた
そう思えばこの映画のすべてが愛しく輝いている
あんなに酷く傷つけられたはずの彼女が夢の中で救われるのはひとりで勝手に立ち直るってことな気がしてそれはなんか良いなと思った
未来のことを考える、というセリフが何回も出てきたのも良かった
ただ、誰かに好きと伝えたり誰かへの好意を自認することってそんなに難しいことなのかよ、とも思う 重過ぎんだろ まあしかし、それもまた現代の実感だとも思う
長回し手振れのワンカット処理が極めて良かったということかもしれないけど
突然の無差別な暴力に遭遇した彼が、大量に出血しながらスマホで救急車を呼ぶでもなく彼女の写真を見返してしまうのって何故か泣ける 救急車呼べよ、と思いつつもこれが愛か…ともどうしても思ってしまったのであった
エンディングで往年のゼロ年代アニソンみたいな歌が流れてきたと思ったら音楽が奥華子だった
RyanMihawk

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