せきとば

キングスマン:ファースト・エージェントのせきとばのレビュー・感想・評価

3.1
第一次世界大戦に対してヨーロピアンなリアリティを持ってるかどうかで評価がわかれそう。

西部戦線の塹壕戦は高い守備能力故に戦いを長引かせ前線は疲弊に喘いだ。挙句には毒ガスに感染症など暗澹たる光景で、兵士のほとんどはノイローゼ。泥沼の消耗戦に誰しもが虚しさを抱えただろう。

そんな所に意気揚々乗り込まんとする若者の志の眩しさ、眩しいが故のやるせなさと残酷さ。そもそもイギリスはこの参戦に消極的でもあったのだ。父の視点は未来からの我々の視点でもある。

こういった部分での重厚な表現は、キングスマンらしさを残した部分とのチグハグさや半端さを産んでしまったように感じる。ただらしさのあるコメディノリは控えめに、じっくりとここを描いたからこそエージェントの成り立ちに重みがでたようにも思う。

時系列としてこれを最初に持ってきた場合、時代が下るごとにコメディ要素が増えていくのは彼らの礎があればこそであり、なにより平和の証でもあるのだ。
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