名無しののんべぇ

ザ・ピーナッツバター・ファルコンの名無しののんべぇのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

客観的に見たら(もしかしたら主観的に見ても)決して順風満帆とは言えない生活であるはずなのに、2人が送る輝きを放つ生活に憧れを抱きながら観てしまう。
交わることがなかった2人が心を通じ合わせていくみたいな作品はいくつもあるが、それらは大抵最初はうまくいかないが、少しずつ関係性を築いていくみたいな展開になる気がする。しかし、この作品に関しては割と序盤で良好なコミュニケーションを取っている。ここが自分の好きなポイント。価値観が異なる2人がお互いの理解に努めるのではなく、元から相手のことを理解し、尊重し合えるポテンシャルを持っていたからこそ、百で支え合うことができるし、その奇跡的な巡り合わせに心動かされる。作品を進める上で、理解することができなかった人間が理解できるようになったという展開は施設の女性エレノアがしっかりと担ってくれている。このバランスも良い。2人が出会ったきっかけが少し雑だったという部分以外大満足の作品。