ゆずきよ

特捜部Q カルテ番号64のゆずきよのレビュー・感想・評価

特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)
4.6
シリーズ第四弾。
今回は未解決事件から捜査開始というよりかは、アパートの壁から死体が発見されてそれに絡むという形。
相変わらず映像の見せ方が上手い。
観てるこちらもどういう事なのだろうと推理しながら鑑賞する。
先ず見初めて思ったのがアサド移動しちゃうの!!?そりゃ無いよー。
やっぱり特捜部三人での暗い雰囲気を暗くさせないシュールでウェットに富んだやり取りが好きで観ているのに。
そしてそれを嫌だと言えないカールの頑固さ、二人を一番近くで見ているからこそのローセの優しさ。
それが結果どうなるのかは、言えませんので是非ご覧になって下さい。

ここからもしかすると少しだけネタバレになってしまうかもなのでご注意を。

中絶や優生思想といった社会的な問題にも切り込んでいて、ただの推理刑事ドラマでは無い。
そして、この映画の隠されたテーマ。
復讐や怨恨も愛には勝てない。
映画には様々な愛の形があって、それらを主軸にした映画も多いけれど、回想もなく会話だけでさらりと一番重要なことを告げる。
素晴らしい演出だと思いました。

「神に見捨てられ、政府に裏切られても愛が勝つのか。運が味方すれば」

素晴らしい台詞。
どんな事があっても愛を忘れちゃいけないよ。
でもそれが報われるのかは運も必要。
これこそが人が人である事の尊さだと個人的には思っています。
良い映画を観た。
ゆずきよ

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