ふじこ

ザ・ライダーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

現代のカウボーイの半生を、モデルとなった人物にそのまま演じさせた作品。

非常に高評価だけれども、わたしにはどうにも合わなかった。
確かに画面のカラーは綺麗で、これがクロエジャオか~って思った。常に画面に何かの色がついているような、北野武の映画みたいな色の使い方があるなって。

ロデオに全てを掛けていたライダーの主人公が競技中に怪我を負って後遺症が残る。
家には知的障害者の妹と、あんまりちゃんとしてない父親。
尊敬していた兄貴分のライダーは同じく怪我で全身麻痺。
それでもこの地域では男らしさの全てであるかのようにロデオがある。
みんな、怪我が治ったらまたロデオをやれと言う。主人公もそのつもり。
けれども後遺症で右手が不意に硬直して握り込んでしまう為に大変危険で、得意の馬の調教師にも危険が伴い、スーパーのレジで働いたりする。

愛馬は脚に怪我を負い、脚を怪我した馬は死ぬしかない。
しかし人間である自分は、頭を怪我してロデオが出来なくても、生きていくことが出来る。

ロデオ大会に出ると宣言した主人公に、父は激しく反対する。
喧嘩になって別れるも、大会会場で妹と一緒に見に来ている姿を発見して遂にロデオを諦める決心をする。


というお話。全体的に非常に静かで、閉塞的な田舎のアメリカを詩的に描いている。
そしてただ画面の色が美しくて、彩度を抑えた艶やかな青や滑らかな青紫、そこにぽつんとある焚き火の赤なんかがすごく綺麗でとても良かったのだけれども。
だけれども、抑えたトーンそのままに物語の起伏に乏しく、言ってしまえば”それだけの話”になってしまう。モデルの人をそのまま使った点で特に違和感がないのはすごいし、馬もかわいい。
でもなぁ~って感じだったなあ。

あと、馬にとても不快な思いをさせて暴れさせて乗る、ってのがどうにも…ロデオ自体にどうにも不快感があるのがひとつ。
ふじこ

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