ほぼ完璧な大傑作。劇場で見ていたら間違いなく満点だった。男らしさについての映画で、ここまで切実で悲しい映画があっただろうか。怪我のせいで心も体もボロボロになっていく過程があまりにも世知辛くて痛々しい。何か文句を言うと「ロデオを出来ないくせに」なんて暴論で論破されてしまうコミュニティーで育った彼が、最後に親父に放った鋭い言葉、そして最後の選択……。彼は何を捨てて、何を見出したのか。変わったのか、変わっていないのか。とにかくキツい展開なんだけど、同時もあまりにも雄大な大自然と最高の撮影に圧倒される。『15時17分、パリ行き』と同じような手法ながら全く真逆の作品。この映画の監督が撮るマーベル映画ってどうなるんだマジで。クロエ・ジャオ監督、一生ついていきます。
