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ノベンバーのsonozyのレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
5.0
エストニアの2000年のベストセラー小説が原作のダーク・ファンタジー。
舞台は19世紀のエストニアの寒村の11月。
クラット(Kratt)と呼ばれるエストニア神話上の不思議な生き物(木の枝や草刈鎌など不用品で出来た手足。顔の部分は動物の頭蓋骨など。その姿で空も飛べます。笑)の登場から一気に引き込まれ、
やたら天井が低く牛もいる部屋で暮らす主人公の少女リーナと父。
墓地から身内の精霊を家に連れ帰る村人。
教会内で口に入れた聖餅を帰り際に係の男の手の平に吐き出す村人。
美女やヤギ、豚に姿を変え村を襲う疫病・・・etc
摩訶不思議なあれこれと出会える喜び。笑

リーナはハンスという青年に恋しているが、ハンスは荘園領主である男爵夫人に夢中。この話が軸となりますが、野性味溢れるリーナを演じたレア・レストという女優がいい。

使用人的存在のクラットのキャラ、クラットに魂を吹き込んでもらうため村人が訪ねる森にいるオッチャン(悪魔)、領主の屋敷から衣服を盗みまくるメイドや執事の行動..etcコミカルな要素もありつつの、美しいモノクロ映像美とサウンドデザインで幻想的な神話の世界に没入する最高の体験。
日本公開に期待!

ポルトガル Fantasporto: 審査員特別賞、Best Cinematography
ベラルーシ ミンスク国際映画祭Listapad: Best Film, Best Score, Best Cinematography
米 トライベッカ映画祭: Best Cinematography ほか
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