ブリュノ・デュモン監督の作品は、もう20年以上前ですが、「ユマニテ」を観ました。ほとんど記憶にないくらいです。
久しぶりにこの名前に出会ったと思ったら、ロック・ミュージカルでしかもジャンヌ・ダルクの幼少期の物語という…。ほとんど興味ありませんでしたが、第2部の「ジャンヌ」がカンヌで話題だったようなので、そのイントロのようなものと思って観ました。
あらかじめサントラを聴いていましたが、このメタル調の楽曲がなければ、単調な映像に耐えられなかったかもしれません。しかもロック好きでないとシュールな融合が逆効果でしょう。
前半でジャネットの幼少期を演じていたリーズ・ルプラ・プリュドムは、プロの子役さんではないようです。フランス語なのでセリフ回しはわかりませんが、演技もダンスも子どもの学芸会レベルでした。ただ、歌唱はそれなりで、顔だちがとても魅力的です。なにより“頑張ってる”雰囲気が好印象でした。むしろ後半の大人たちの素人っぽさが目立ちました。ジャネットの叔父の演技やラップらしきものは、この作品のクオリティを著しく低下させています。
ほぼ屋外で撮影されていますが、草木の緑と青空のコントラストが印象的です。映画としてのクオリティには問題がありますが、「ジャンヌ」を期待できる程度の作品にはなっていました。