2013年の前作の原題が“Jack Reachar”だったのに、なぜか邦題が「アウトロー」でした。これでは続編ということがわかりづらいです。このパターンの邦題はときどきあります。
この作品でも本人が「ずっと1人でやってきた」というセリフで表現していましたが、前作のジャック・リーチャーには“1匹狼”っぽいカッコよさがあって、次に何をやらかすのかわからないワクワクもありました。この作品では、MP(Military Police)の少佐であるターナーと娘のサマンサとの共同行動がメインなので、彼の言動などに悪い意味での安心感があります。MPが舞台の物語なら、アクションとサスペンスの相性がいいはずですが、前作と比較するとどちらも期待値を下回るもので残念でした。
ただ、それはジャンル映画としての感覚であって、2人の女性との逃避行という展開では、アナログで堅物な彼が彼女たちとどのように同調していくのか…という物語として、なかなか面白かったです。前作で彼のキャラクターを理解していればなおさらです。こんなに人間っぽくもなれるんだと…。
ターナーとはちょっとだけ恋愛感情があるような、ないような微妙な関係を維持してくれるし、彼との父子関係を最初に突きとめるのがサマンサだったという顛末も意味深かったです。
ちなみに、ターナーを演じたコビー・スマルダーズもかなり活躍していましたが、ほとんど後ろ姿になっているポスタービジュアルは少しかわいそうでした。トム・クルーズが忙しすぎて、3作目は期待できないのかもしれませんが、もし実現すれば観たいです。