ヒロ吉

国家が破産する日のヒロ吉のレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.3
U-NEXTにて字幕鑑賞。

あらすじは1997年、経済の急成長を遂げ、国民の85%以上が中間層と考えていた好景気真っ只中の韓国。
しかし、国家破産の危機が静かに近付き、残された期日は7日間のみであった…というもの。

超面白い!
国家破産の危機を史実を交えて描いた社会派ドラマ

対策に奔走するチーム長
予期して一世一代の大勝負に出る金融コンサルタント
危機に巻き込まれる町工場社長と三者の視点を交互に描きつつもストーリー展開に停滞感がなくテンポが良い!
骨太ながらもエンタメに徹しているのも超良い!

経済の仕組み等小難しい部分はあるけど、ユ・アイン演じる金融コンサルタントの説明が分かりやすい!
まぁ人には説明出来ないけど…!

事業性評価をせずに融資
監督局は業務を放棄
そして借金だけが増えていく…
株価・ウォン暴落
広がる不渡りの影響
トップ企業100の内、20社が倒産
協力会社も含めると200社
中には自殺する者も…

未曾有の危機が襲いかかろうとする中、ホ・ジュノ演じる町工場社長の様に国やTVや新聞が”大丈夫“と言っているから何とかなると信じたい、何かにすがりたいのやろうな…
そして眠れぬ夜が…
この様な危機の中でも優しくいたある社長の最期が泣ける…

キム・ヘス演じる危機回避の為に事態回収を図るチーム長と部下達がカッコ良い!

そんなチーム長達と対立する財務局次官を演じたチョ・ウジンが超憎たらしい!
問題を先送りにし、この期に及んでこれだから女性は感情的になる…とクソボケ発言
国民の事なんか一切考えないカスっぷりが最高!

そして満を持して登場するIMFの局員役にヴァンサン・カッセル!
これまでの意向を無視して決定を覆す上層部達は支援要請の交渉へ…
立ち直らせる為とはいて、酷な条件を示す様は恐ろしく怖い!
その裏にはアメリカの利益が…という社会の仕組みっぷりも恐ろし過ぎる!!

20年後…
再び同じ様な危機が繰り返されようとする中、再び立ち上がる者や利用しようとする者がいるラストも良かった!
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