ピットココクー

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのピットココクーのレビュー・感想・評価

5.0
公開時映画館で鑑賞。画面に釘付けで身じろぎひとつ出来ず、ただじっと息を潜めてやり過ごす。終わったあとどっと疲れがやってくるような、毎時サニティチェックされるような体験でした。私は戦場に送られたら発狂する自信があります。悪い冗談じゃないけど微笑みピットココクーです。

「敗者の次に悲惨なのは勝者だ」学生の時に鑑賞した映画ワーテルローだがでウェリントンが戦場の凄惨さを眼下に吐いたセリフが脳裏に焼き付いています。

その近代戦争の肉弾戦の系譜を受け継いだ第一次世界大戦の模様を写した白黒フィルムをカラーに起こしたピーター・ジャクソン監督作品。

結局のところ戦場に送られるのは若者たちで、為政者たちは安全な場所から口撃するのみ。何千年も変わらない構図。そんな歴史の狭間にただ消えていった人々は犬死にだったのか。死に意味は無いのか。ぞっとするような虚無の口がのぞいている記録映画でした。
ピットココクー

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