JunichiOoya

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

2.0
1914年から18年の第一次大戦時、英独地上戦のドキュメンタリー、

ではないと私は思います。

軒並み高評価という感じなのですが…。私はどちらかと言えば「否」を…。

彩色絵葉書ってあるじゃないですか。モノクロ写真に後から色つけた観光土産。(まあ20世紀半ばまでの風俗かもしれないのでお若い方はご存知ないかも…。私なんか幼稚園の頃、お相撲さんの彩色ブロマイドを見た覚えがあります)
映画だとすぐ思い浮かぶのは『戦艦ポチョムキン』のブリッジに上がる「赤旗」シーンね。
この映画では彩色された16ミリフィルムだけでなく、スチール写真までが色だけじゃなく「動き」まで付加されて登場します。概ねカメラに向かって「写真向き」の笑顔を浮かべた兵隊たちの腕だけが動いたり、咥えた煙草から燻らす煙がゆらゆら、というのが私には何とも悪趣味に映りました。

そこにはもちろん元データを撮った人の想いとは別の意味付けが付与されていると思うんです。

手にした映像素材をどう取り扱うかはドキュメンタリーの肝になるものでしょうし、そこに作家の目が介入して、それぞれの主張を生むっていうのが、もちろんドキュメンタリーの醍醐味だとは思っています。
でも、今回は作家がライブラリーから掬い取った素材を加工して映画に仕立ててるわけで、これは私にはドキュメンタリーではなく「創作」に見えますが。

創作であるが故に、そこに「再現」された出来事たちに感じる「リアリティ」は、自ずと「劇映画」のそれになってくるんじゃないかしら? という感覚です。

いかがでしょうか。
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