100年前に生きた人々を現代の技術でカラー補正してフレームレートも滑らかにしたドキュメンタリー。
そうすることによって、遥か昔の他人事ではなく、今そこに生きている人々のように鮮明に心に映る。
それまで白黒だった説明描写から、戦場に移るとカラーになり音声が入ると臨場感が付加され、ドキュメンタリーの新たなる領域を感じることができる。もちろん、それは想像力によるつけ加えなので捏造すれすれなのだが、最大限の敬愛を持って再現されていることが伺える。
出兵志願したのはイギリスの16歳から19歳ほどの若者たち。相手方のドイツも同じようなものだった。ただ命令に従い、闇雲に顔の見えない人々に向かって銃弾と爆撃をする毎日の中で過ごす青春。良いも悪いも超えて、命懸けで青春して散っていった若者達の笑顔と生き残った老人達の声が、色づいた当時の映像に重なってくる。
そこに善悪はないように感じる。
ただ戦争という悪だけは浮かび上がる。
もしドイツ側の視点も交差して描かれたら、さらにテーマは深堀りされたのではなかろうか。
生の臨場感を感じたからこそ、もう世界から不必要な戦いを破棄する時が来たのだと思う。もう終わりにして新しい世界にする時だろう、深く感じ入った。