くりふ

一分間タイムマシンのくりふのレビュー・感想・評価

一分間タイムマシン(2014年製作の映画)
3.5
【殺しのリテイク】

アマプラで見られる短編をサーチして、出てきたひとつがコレ。

6分間でサクッと笑わせお見事!座布団あげたくなる仕上がりです。

映画というより、お話としてはコントに近いが、これはネタがそういう味だからね。

でも、『アバウト・タイム』を思い出したが、1分間を何度もやり直すって、人生をリテイクするようなもの。時間移動って、そもそも映画的なのね、メリエスの昔から。

映画的というより、より、フィルム的と言うべきか。長い長い一本の。

時間というテーマは深淵で、いくら掘っても人智では理解できないし、人生で一番大切なことを知った後は、そのために残りの人生をどう使うか?が第一課題となるから、机上の空論あそびは無駄だと思っています。

だから、こんなお笑いで済ます程度の時間操作が、罪もなくていいなーと感じるのですね。

透明人間もそうだけど、人はこうした特殊能力を手に入れても、ロクなことに使わないのでしょう。細田版『時かけ』のヒロイン真琴なら、とことんセコく使い倒すだろうなあ(笑)。

あと、この映画で好きなのは、“生命はいつもひとつ!”と言い切っていること。人としての尊厳を守っているよね。

例えば『オブリビオン』などでは、生命は代用がきく、と言っちゃっておりキモチ悪かったものですが、基本的人権(笑)から見ても本作は、竹を割ったような良作だと思うのでした。

<2022.6.1記>
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