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Fukushima 50のFemindのネタバレレビュー・内容・結末

Fukushima 50(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ドキュメンタリー的にこの作品を作ってくれたことで、よりリアルに当時の状況が知れたし、後世に残す事もできて非常に有意義な作品だと思った。

描かれていた総理大臣は行動力のある無能と言った感じで、非常時にすら外面だけを意識して動いた結果ベント遅れたのか、という事の詳細を改めて知ってしまったし(裁判やってたのを思い出した)東電の上層部も無能オブ無能といった感じで日本の主要な企業や財界の上の方々がこの有様だったのか…と失望感が凄い。

それらの無駄な圧力にもめげずに現場の判断で海水ベントを進めていた吉田さんの英断と、現場で命がけで原子炉を最後まで管理しきった方々には敬意しかない。

あの時に様々な手段が物理的に遮断されていた中で、できる事をできる限りやりきった事が知れて、東電の現場の方々への考え方も変わったし、見て良かったと思う。

チェルノブイリを見た時も思ったが、どうして人間の手にあまりある物を使って電気を起こさなきゃいかんのか…身の丈に合わない事をやっている愚かさを再確認した感じ。


追記

この作品を見た後に関連する記事を読んでいたら、「過去データから洗い出しで紐説かれた、東電はベントを回避したくてギリギリまでその決断が内部でなされないまま限界まで引き伸ばして結局ベントをやらざるを得なくなってしまった」ことや、当時の総理についていた学者の方が早い段階で総理がベントをやるべきだと話していた事を知って、東電の闇を暴かずに現場をヒーローにしたい筋書き(実際ヒーローだけど)なのかなと感じた。
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