寝るのだいじ

Fukushima 50の寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

福島原発がなぜ放射能汚染を引き起こしてしまったのかが分かりやすく、現場の人たちの鬼気迫りつつも責任を全うする姿を知ることができる作品。

最後に主演が家族に会えたのは唯一の救いのシーンだけど、私は避難所であの場面に傍観者として出くわしたらすごく悲しくて心細いと思うだろう。外で再会してほしかったな。

現場を知らない東京電力本店が指揮を取ることの愚かさ、とりあえず海外に懸命っぽく見せたい総理、あまりにもひどい。
なんで現場を知らずして、知らなくても専門の人(現場の人)に一任するという発想が無いのかな。原発以外にも言えることで、この連鎖や構図が腹立たしい。



この作品を観るきっかけになったエピソードを記す。
よく国道6号(北関東~東北に伸びる道)を車で走るのだが、その日だけはたまたま設定したナビに案内されたのが、双葉町など原発による帰宅困難区域に延々と伸びる道だった。
知らない道なのでナビに従うしかなく、ただ本作の最後に映っていた「物が残っただけの店」「破壊された町」そういった景色をずっと見せられた。
エアコンは被爆予防で内気循環にしつつも、よりによってなぜ今日だけこのルートなのかを考えた。私は東北に住んで8年程になるが、その中でもまるで無関心といった県民の地域に暮らしていた期間が長かった。こんなに身近な場所で起きた大災害な上、震災当時離れた県にいたとは言え、自分の無知を恥じた。直視するのが怖かったのも本心である。
なので本作品と「THE DAY」を今更観ている。東北のみならず、日本に生きている以上、本作で現場の人が頑張ってもどうにもならない自然災害と、立場によって扱われる人の命の重さ軽さを感じてほしいと思った。