ハレルヤ

ホテル・ムンバイのハレルヤのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.3
公開前の作品ですが、オンライン試写会にて先ほど鑑賞しました。

インド、ムンバイにある5つ星ホテル、タージマハル・パレス・ホテル。2008年に実際に発生したムンバイ同時多発テロの標的となり、約500人の客と従業員が閉じ込められる事態に。その地獄と化したホテルから大多数の人々が救出された奇跡の脱出劇を描いた実録映画。

いやもう本当に手に汗が止まらない凄まじい緊張感に満ちた2時間でした。見終わった今もまだ軽い放心状態。誰が殺されてもおかしくないほど壮絶な場面の連続。テロの追体験とも言えるほどリアルで、映画というのも忘れてるほど。

冒頭から怪しげな若者たちが何やら着々と準備を進めるところから、もう嫌な空気が充満。
そしてムンバイ各地で相次いで発生する同時多発テロ。人が多く行き交う駅や街角のカフェ、そしてホテルで次々と銃を乱射。手榴弾を投げ込み爆発と、一瞬で地獄絵図に叩き込まれます。

「ダイ・ハード」や「96時間」のような悪に堂々と立ち向かえるスーパーヒーローなんか当然皆無。マシンガンを誰彼構わずひたすら乱射するテロリストから、ただただ逃げるしかないのが現実というのを改めて思い知らされました。

一人でも多くの客を救出しようと命を懸けて、この事態に挑んだホテルマンや従業員たち。彼らの勇気と信念の強さに心打たれます。

日本ではニュースの映像でしか知られないような事件。いざこの場に自分が居合わせるとどんな感情になるのか。実際はもっと凄惨だと思いますが、パソコンの画面だけでもその恐ろしさが身に染みる感覚を味わいました。これは劇場だともっとダイレクトに響くと思います。

デヴ・パテル、アーミー・ハマーといった今の実力派若手俳優を中心としたキャストの熱演も必見。見終わった後も何とも言えない後味を残す作品ですが、卑劣なテロの実態、絶望的な状況でも諦めない気持ちを持つ事の大切さを学ばせてくれる秀作です。
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