10年前にこんないたたまれない事件があったなんて知りもしなかった。まだまだ勉強不足。こういう映画を観る度にもっともっと宗教についても学ばないといけないなと思う。
最近はテロに基づく映画は多いけど、そんなテロリストである人物たちも、1人の人間としてとても丁寧に描かれた映画でした。
真の悪役は電話越しの主犯格の1人のみ。終始息を飲む展開に心が苦しくなり胸がえぐられる。まるで自分が現場にいるようなカメラワークは圧巻。どこへ行ってもどこへ隠れてもいつ撃ち殺されるか分からないという緊迫感がホントにヤバかった。
そこにはスーパーヒーローなんて存在しない。助けも来ない。自分の身は自分で守るしかない。立ち上がったホテルの従業員たちの結束力に鳥肌ものです。
今年鑑賞した「 ウトヤ島、7月22日 」( これまたノルウェーで起きたテロ事件 )を彷彿させる映画でした。
決して面白かった!なんて言えない。できる事ならもう見たくない。でも目を背けてはならない。本当に素晴らしい作品。
被害者も実行犯も人間。どちらも家族に愛してると伝えている事が胸に残った。
そして主演のデブ・パテールの演技はさすがの一言。10年前はちょうどスラムドッグミリオネアの映画を作っていた時で、このテロ事件の恐ろしさをすぐ近くで体験していたらしい。そう。彼以外に演じる人はいないよね。
もし自分が宿泊しているホテルが、突然テロリストに占拠されたら?
もしかしたら自分の身にも降りかかるかもしれない。衝撃の実話&圧倒的な緊迫感でした。