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ホテル・ムンバイのkuのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.4
2回観ました。
いや、もう、好きですこの作品。
元々好きなんです、実話から作られた作品と追体験が出来る作品っていうのが。
この作品は強烈に追体験が出来ました。
そこで良いなぁと思ったのが1度目の鑑賞より2度目の鑑賞のほうが深く追体験出来るっていう所ですかね。
結末も流れも把握してるからこそ更に深く息を潜めて観てしまうというか。

自分が観光客としてあの場にいたら?
ザーラのように強く行動が出来るかどうか。出来ずにただ誰かに付いて脱出ができる時を待つか、待つことは許されず殺されてしまうか。
きっと運任せなんでしょうね。自分の生死が掛かっているのに、出来ることといったら命乞いだけ。
テロリストに生き死にを判別してもらうんでしょう。
嫌だなぁと思いました。
他者に自分の命を判別されてしまうことがとても嫌だと思いました。
行動しようとしまいと、どうせ運任せなんです。行動を起こしたところで非道にも殺されてしまうかも。部屋に篭もるのも、隠れながら脱出に向かうのも全て自分の身や大切な人の身を守る為の立派な行動でした。
早い段階でホテルから抜け出し家族の元へ戻るのも、家族にとったら生きて帰ってきてくれた、ただそれだけでも十分凄いことです。
目の前で沢山の人が殺されてしまう、あんな惨状を目の当たりにして足が竦んでしまうでしょう。パニックになってがむしゃらに逃げ惑ってしまうでしょう。
それでも自身を含めた愛する者の為にテロリストに立ち向かう強さをゆっくりと確実にこの映画は魅せてくれました。
そして、テロリスト側にも守るべき家族がいて、その為に自身の行いを正義と信じ込ませもう後戻りもできず進んでいく姿が重く脳裏に沈んでいきます。
人の数だけ正義があり、マイノリティの正義は悪となってしまう。
人を殺すことを擁護する気はありませんが、全ての人が幸せに生きることは不可能だと改めて自覚してしまう事がとても怖いです。
幸せに愛する者と笑顔で過ごすことはこんなにも難しいことなんですね。

それでも何度でも観たい作品です。

いつか、タージマハル・パレス・ホテルにも足を運びたいなと思っています。
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