アイ

ばるぼらのアイのレビュー・感想・評価

ばるぼら(2019年製作の映画)
3.9
手塚眞(監督)×クリストファー・ドイル(撮影)×稲垣吾郎(演者)=美学の三重奏でした。退廃、猥雑、エロス、狂気、破壊etc いろんな要素で作られた万華鏡のような美しさがスクリーンに映し出される100分間。汚くても美しい。濡れ場も美しい。夢マボロシのようでした。ジャズ全開の音楽もいいです。手塚眞作品ではお馴染みの橋本一子の楽曲と、鮮烈に響く類家心平のトランペット。映像と相まってノスタルジックさが増していました。

二階堂ふみのバルボラ、渡辺えりのムネーモシュネーは原作から抜け出たようで違和感なし。最高です。本当に存在していたのか?つかみどころのない酔いどれ宿無し天使・バルボラ。綺麗なヌードはもちろん、演技も素晴らしくてすごかったです。一見の価値あり!
稲垣吾郎の美倉洋介は見た目は手塚キャラの間久部緑郎(ロック)でしたが、創作に苦しむ作家の狂気や濡れ場がとても官能的で、堕ちて、壊れていく男って最高だな!!!と見惚れるばかり。(稲垣吾郎はSMAP時代SEXY濡れ場担当で、プライベート・レッスン、嘘でもいいから等々これまでもラブシーンはありましたが、本作がNo.1。美しさも史上No.1だと思う。キャリア最高の色気と脱ぎっぷり。※余談)

手塚治虫の原作も読んでいますが、実写映画としてファンも納得の出来だと思います。当たりの実写映画。「ばるぼら」好きな手塚ファンには映画館で観て!と強く薦めたい。息子である手塚眞が撮った「ばるぼら」ですし、万感の思いが込み上げてくるはず。
アイ

アイ