劇場公開版は、
陰陽でいうところの
陰に特化した編集になっていましたが
削除シーンをまとめた本作には
公開版には登場しなかったツイン・ピークスおなじみの面々が
済々と描かれていました。
つまりファニーで陽な側面も
リンチ監督はすべからく描出していたわけです。
これらの割愛されたシーンを観ていると
劇場公開版の編集が、妙なる手腕による
いかに際立ったものであるかがわかります。
と同時に、リミテッド・シリーズを意識して再編集されたと思しい
未公開シーンの数々にはぞくりとするものを感じました。
20年以上先の出来事がそれらのシーンに予見されているのを
目のあたりすることになるからです。
もちろん、今回まとめられた未公開シーンをふまえて
リミテッド・シリーズの構成が練られた部分もあるとは思いますが
ツイン・ピークスという世界の連続性、連関性を
齟齬を来すことなく成立させるという離れ業を
リンチ監督はやってのけています。