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ファイブ・フィート・アパートのqーpのレビュー・感想・評価

3.9
【五尺天涯】2021年3月、劇場で。

肺に遺伝性疾患を持つ10代の患者同士のラブストーリー。感染防止のため、6フィート(約2m)以内に近づくことが許されない。

2019年公開のティーン向け映画。香港台湾やその他殆どの国では同年に上映済だったが、日本では劇場未公開で中国大陸では今回が初上映。

感染予防に関する劇中の様々な描写、距離保持だけでなくマスクや手洗い、手袋をはめての接触などに、当然昨年からのコロナ禍の状況がオーバーラップする。過去のレビューを見たけど、封切られた2019年当時に海外や機上で鑑賞された他の皆さんも思いもよらなかっただろう描写が、現実に健康な人間も含めた私たち全てに身近なものとなっている事実が悲しい。

日本でも報道された「中国で『アバター』再上映」と同じ公開初日。あちらは当然大入りで満席の回も多く翌日に回した(なるべく真ん中近辺で観たい派)が、こちらは上映回も席数も少なく、入りは100席に20人くらい。

イタリア出身のカッコいい男の子(コール・スプラウス)目当ての女の子グループが多い。若い頃のジョニーデップの様にスクリーン映えする紛れも無いイケメンで目元はヒューグラント似。アップのシーンになると当たり前のようにスマホを構える女の子も。もう慣れたが「自分の目に焼き付けろよ~」と心の中で。

主演の女の子(ヘイリー・ル・リチャードソン)が自然でとても良い演技だった。雰囲気が藤野涼子ちゃんぽかった───眉毛の感じだけか。殆どが病院内なので離ればなれのシーンが多いけど、今の時代はSNSやメッセージアプリ、YouTube配信やVログなど様々なデジタルツールがドラマ展開の手助けをする。

何箇所かで涙があふれる。冒頭とラストに1分程流れる「人に”触れる=touch”」に関するモノローグとホームビデオ風映像は、両方ほぼ同じなのだがやはり受け止める観客側の情感はラストで豊富になっている。

ロバートカーライル似のユーモラスな男の子。また戦争・刑事モノと同じあるあるじゃないか。脚本家はまだソレをやるか。あるあるだからしょうがないのか───ッ

流れる音楽が90~00年代の色んな○○風が多くて好みだった。エンドロールを観ると知らないバンドばかり。インディー系が多いそうだ。
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