マルカマーク

地獄のマルカマークのレビュー・感想・評価

地獄(1960年製作の映画)
3.2
確実に映画においてけぼりにされた。
この映画とともに同じ歩幅を歩くことができなかった。なんかくやしい!
でも、全く嫌な気持ちにはならなかった。

まず、最初にタイトル「地獄」がメラメラァ〜っと出たかと思ったら出演者やスタッフの名前を紹介するところ、なぜかお色気です。スリップ姿のオネーチャンたちが出すわ出すわ(色気もろもろを)。
コレは、観客を試してるね。

四郎役のの天地茂は顔色悪い幸薄系な二枚目でよかった。
この人といい岸田森といい、吸血鬼役が似合う顔立ちが結構好き!
沼田曜一演じる田村は、四郎のそばに現れると周りの人がバタバタ死んでいく死神のような男なのだけれど、結局四郎の気を引きたくて邪魔な周りの人間死なせて四郎と2人っきりに…❤︎作戦を健気に実行してるかわいいやつなんだなと最後は思えてきた。死神かと思ったけど閻魔様から拷問を受けてたときも四郎ー!!と叫んでたし(でもその時、愛しの四郎は我が子の名前を叫んでたけど)。

話の途中で登場人物全員死亡するんだけど、最後に死んだ方々の死に方が※時間の都合上、まとめて死んで頂きました※って感じで面白かった。それ以外の死に方もだいぶ無理がある展開だった。最初に死ぬヤクザなんて明らかに車に轢かれるの待ってたでしょ!なんかダウンタウンブギウギバンド時代の宇崎竜童みたいな出で立ちでヤクザというよりヤンキーみたいだったけど(でも竜童より10年以上早い)。

地獄の拷問シーンは、CGを見慣れきった今の目で見ると見世物小屋を見てるような懐かしさ…微笑ましさ…を感じた。真剣に地獄を再現しようとしているのはとても伝わる。
よくわからないが秘宝館に行きたくなった。

自分が死んだとき、閻魔様は地獄へ突き落とすのだろうか。もしそうなったらどんなに見世物小屋のような地獄でも耐えられそうにないな。
とりあえず、親より長生きしよう。