ピートロ

オオカミの家のピートロのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.8
悪夢的にヌメヌメ動き続けるストップモーションアニメ。
2D、3Dが混然一体となりキャラクターも常に生成と崩壊を繰り返す演出は妙な迫力がありなかなかすごい。
しかし予備知識ゼロで臨んだため内容はまったくわからず…。
上映後、土居伸彰氏、山下泰司氏によるトークショー。
監督の意図や、チリの歴史や政治、コロニア・ディグニダについては帰りの電車に揺られつつググった。
ずっと脳内に靄がかかったようなトリップ感に満たされていたので、もう一回観たい。

他のユーザーの感想・評価

コロニアディグニダについて調べてから観た
技術の面でもヤバいし、話もヤバい
面白かった、ただ眠かった、またちゃんと観たい
淡白

淡白の感想・評価

1.0
子どもたちに見せるためのプロパガンダ映像っていう設定の映画。映像を復元?修復がどうのこうのも多分そういう設定なのかな。

映像と声も相まってずっとウトウトしながら観てました。コロニアのことを予習しても眠いは眠い。睡眠導入系映画。
黒萱

黒萱の感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

短編「骨」から始まり、「オオカミの家」の同時上映を鑑賞。上映後土居伸彰さんと山下泰司さんのトークイベントあり。

予告を見て期待大だったので、想像より長い時間(74分も…!)たっぷりと世界観を堪能できて贅沢な時間だった。
おおまかにカルト教団から逃げた人の話…という認識で鑑賞。

とにかく映像の作り込みや制作にかけられた時間を想像してパワフルさに圧倒される体験だった。こんなの見たこと無い…の連続。
特に壁に描かれる絵がペンキ(?)を垂らしながら、または色を重ねて別の絵に変わって行くタッチを見ながらの変遷が目に楽しく、恐ろしい。ここにカメラのアングルの変化や絵から人形に登場人物が姿を変えていくのだから一瞬たりとも見逃せない。
監督の二人はそんなに恐ろしさを描いている訳ではないと語っているようだが、画面が暗く、絵や人形のキャラクターの表情が読めず安定しないためずっと不安感が続く。(勿論、題材や監督達が語っている育った環境を聞くと納得とも思うような…)

オオカミの家は三部作でこれが最後らしいので、他のルシア、ルイスもみたい(Youtubeで見れるっぽい)。
インスパイアされたというコロニア・ディグニダについては知らなかったが、とても悲惨そうだ…。Netflixのドキュメンタリーなども見て調べたい。

あらすじだとマリアが逃げ込んだ家に2匹の豚がいた、と書かれていたが家畜のように扱われて言葉も話せない状態の、やはりコロニーから逃げた二人をマリアは逃がしかくまったように思えた…。ラストでやはり小豚のおまえも世話をしてやろうか?と言うようなコロニーの支配者であろう男性の声がして、ああやはり豚はヒトを指していたのかと思った。とするとマリアはなぜ2人よりもヒト扱いされて(虐待などでとてもそうとは言えないだろうが…)言葉も話せたのだろう…?

トークショーは映画に関わるお二人のかなり貴重なお話が聞けて楽しかった。監督それぞれで絵と人形の担当をしていると聞いた。
見たことの無い刺激的な作品が世界には沢山あるんだろうなあ。改めて色々情報を集めて色んな作品を見たいと思った。
KIMURAMONE

KIMURAMONEの感想・評価

3.0
同時上映の骨で眠くなったところでスタート。始めは正直言って眠気との戦いでしたが、これはヤバいって目が覚めました(笑)
友達からコロニアのWikipediaを読んでおいた方がいいと言われていたので、なるほどこっち側の視点なんだと。久しぶりにすごいの見ました。
東雲

東雲の感想・評価

4.0
遠方に行ってまで映画館で観た価値があったと思う
映像がすごい 初めて観るジャンル、技法で新鮮だった
こんな不気味な映像を大画面で観ることなんてなかったから、ずっと心がザワザワしてた
先に同時上映された作品の方が好きかも 衝撃だった
本編はちょっと寝た。内容自体はちょっと退屈で
チリ発ストップモーションアニメの迫力。
…薄く下調べしたものの、ところどころ睡魔。。

劇場は満席の熱気があった。
コロニーから逃げ出しても、洗脳のために苦しんだ人もいたのかも。
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』の題材もそうだし、こういう場所を作る人は時々出てくるんだね。
音と展開が気持ちよかった。
瘋子

瘋子の感想・評価

3.5
破壊と創造の映像体験。
ホラーテイストな演出で常に絵を作り続けている映像は見てて楽しかった。
結局、マリアは何者なのか分からずじまいだった。

表現が独特過ぎてプロパガンダ作品であることを忘れていた。
cm

cmの感想・評価

3.8
初めて体験するアニメーション技法でめちゃくちゃ見応えがあった
オオカミの声がシェーファの肉声に酷似していてめちゃくちゃゾッとした
プロパガンダ映画として構成されているところがまたも面白いところで

実話として、
コロニア・ディグニダで子ども達に見せていた映画や娯楽は全てホラー映画だった
=このコロニーを出ると恐怖しかない
ということがあったために
このプロパガンダも成立してしまうという恐ろしさ。

プロパガンダではあるものの
少女がコロニーで体験したであろうおぞまい恐怖を非常にうまく表現していて
変わりゆく造形や世界が
異世界であったコロニーを象徴していて素晴らしかった。

この作品に出会うまでコロニア・ディグニダのことを全く知らなかったが
他の過去2作品も是非みてみたい。
いやあ、結構衝撃作だったな。
ぷに

ぷにの感想・評価

4.5
ヤン・シュヴァンクマイエル好きなら好きであろう世界観。プロパガンダ映画をメタ表現。2D→3Dという斬新な手法。家の中で壁に人が描かれたり3Dで出てきたり。キャラクターが作られていく過程まで動画にしてしまうのがクセになる。最終的な話の運びもどストライク。蜜と繰り返されているのはドラッグかなと思ったり
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