いぬ

オオカミの家のいぬのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.0
自分の中での考察が合致していくと途端に面白く感じていく映画だった。
最初にコロニー側の住人がチリの人々にもコロニーの良さが伝わるように〜と言ってこのアニメーションが始まっていることから、これはコロニーの良い部分を見せるためのプロパガンダ映画だということが分かる。
そして、コロニーから脱出したマリアには悲劇が待ち構え、結局はコロニーで暮らすことが一番の安息だというふうに締めくくられる。いわば洗脳ビデオという様に捉えて良いだろう。
また、初めのビデオで「コロニーの蜜」というものが紹介され、それがアニメの中のマリアも「これは選ばれた人にしか与えられないものだった」と語っていることから、コロニーから出ても、コロニーでの教えからは逃れられない事が伝わる。
そして、マリアは豚を逃したことにより叱られることを恐れてコロニーを脱走する。その後豚の二人(二匹?)に食べ殺されそうになることから、コロニーで大事にされている豚を大事にしないとこうなるという事を表しているように思った。
そのため、コロニーでの実態を知れる映画ではなく、コロニー側のプロパガンダ映画という風に捉えるのが正解だろう。

話以外の作画技法にも圧倒され、全てどのように作られているのか不思議であった。

短編作品の「骨」は明確に自分の中でのストーリーの考察が出来なかったが、あれは逆再生なのではないか?と考えている。儀式を行っていた女の子は、婚約を結ぶため骨から人間を蘇らせようとしていた。しかし、婚姻届の名前は消えていき、司祭がそれを遮ったと言うような説明がある。そのことから、婚約をしたかったが出来なかったため、少女が骨に戻したのではないかと考えている。他の方の考察も見てみたい。
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