SoulFoodKitchen

オオカミの家のSoulFoodKitchenのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.6
まるで、いつまでも覚めない悪夢を見てる様や・・・・🙀
とにかくストップモーションアニメが凄い🤩
どうやって撮ってるのか最初はわからなかった。
物が動く言うよりも、物が変化していく、変身すると言う方が正しい。
人にしろ動物にしろ絶えずゴソゴソと揺れて蠢いている。
そして、舞台はほぼ室内やけど、壁も床も蠢いている😨
壁に本棚が出現したり、顔が描かれたり、その顔も変化していく。
もちろん、壁に一枚一枚、絵を描いて消す訳にはいかないから、描いた絵の上を、さらに絵を重ねて動かす手法が取られてる。
時にドアが描かれたら、そのドアが開き、その奥まで覗き込んだりもする。
床も木の板が一枚一枚と剥がされたり、また床を虫みたいな生物がゴソゴソと動き回ったりしてる・・・
同様に人物のオブジェがあれば、それに粘土とか紙とかガラクタに見えるものとかが付け足されていって、その過程がアニメーションになる。
その逆もありで、物体が溶け出すように顔が崩れていったりもする。
それらが同時に進んでいくから、安定した視線の置き場が無い・・・😰
そこに、更に不気味な効果音とオオカミの声が被さってくる・・・
そして、よく見てたら、コレはミニチュアでは無くて実際の家で撮影してる事がわかる。
つまり実際の壁に絵を描き、部屋の中に等身大のオブジェを作ってる。
そして、カメラも光の差し込まない、閉じられた家の中を動いていく・・・
それが紛い物という、あらかじめ決められたコチラの安心感を拭い去り、言いようの無いリアルなな迫力になって迫ってくる・・・
ストーリーもさることながら、そのメタモルフォーゼが、もう悪魔的で悪夢を見てるのようや。
そう、コレはかなりのパッドトリップとも言える😱
高熱でうなされて悪いビジョンが生まれては消える。
永遠に悪夢に脅かされて覚めない事が地獄になる・・・そんな恐怖を感じる🥶

話はチリで実際に起こったコロニア・ディグニダの事件を元にしてる。
ナチの残党が戦後、チリに逃げ込みドイツ人のコミューンを作った、一見、病院等を営みながら平和的に見えたが、内部では性的児童虐待、拷問、挙句は独裁政権下での政治犯の処刑と埋葬も行われていた・・・
そしてコノ映画は、そのカルト集団の・・・😱

もう第一級のアート作品の傑作や😍
グダグダした説明はエエから、興味ある人は、とにかく見た方が早いで🤩
SoulFoodKitchen

SoulFoodKitchen